かなりブランクが空いてしまったが、「炎立つ」の第一読後感はタイトルの通り。「中央と周辺」という軸で読むのは面白いと痛感。あらすじをつらつら・・・は避けたいけど、キャストは中央に位置づけられるのは天皇中心の日本の政治、周辺に位置づけられるのは「蝦夷」や「俘囚」という名称を中央から付けられている安倍一族。時間軸では、前九年の役(第一部)、後三年の役(第二部)、源平合戦(第三部)と位置づけられている。キャストの軸と時間(正しくは、イベントというべきかも知れない)軸の双方を考えながら読むことをオススメしたい。
今年の1月からNHKの大河ドラマで「義経」が始まったけれども、こちらの第三部と比較して読んでみると面白いかもしれない。というのも、義経の悲劇的な最後の描写が両者で異なることが創造されるからだ。通説では、泰衡が父秀衛の遺言どおりにするか、源頼朝の命令どおりにするか気持ちのゆれが描写されるだろうけれども、炎立つでは異なり、新鮮さを感じた。
まぁ、教科書どおりの日本史に飽きてみた場合、周辺から見るのもまた違った視点がでてくるのかなぁということでオチにします。
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