読後感として「さわやかさ」、「悲しさ&切なさ」が程よくまとまったラブストーリーだなぁと。こちらは短編が4作入ったオムニバス形式で、他の文庫("Missing"や"Alone Together"などと同じ形式)とは一段階踏み込んだところでは、上記ファクターの共存という点では一緒であるけれども、それぞれの作品の背景が異なることでそれぞれ味わいがあるなぁとも思う。今回では、"シェード"が一番印象的だった。ストーリーそのものは、物語中の骨董店の老女が話す「物語」の時間軸とまさに「現代」という時間軸、計二つの時間軸で展開される。老女の話す物語が、その骨董店で売られてはいたものの主人公が買おうとする直前に売れてしまうランプシェードを軸に、昔々の悲恋物語として語られる。そして老女の物語を聞いた主人公は非常に綺麗な蝋燭を片手に。クリスマスを祝うために彼女の元へ向かう。その主人公はもともと付き合っている彼女を「ある事情」で恋人として彼女にどのように接すればいいのか迷いがあったけれども、その物語のおかげでクリアーになる・・・的な話(長いなぁ・・・。ごめんなさい)である。「悲」と「喜」がバランス良く織り交ぜられ、そして「喜」で終わるストーリーで読後感最高でした。。
一応、本多氏の出している本を現段階で出版されているものをすべて読みきったけれども、非常に読みやすいし、そのストーリーの世界に没頭しやすかった。次回作が楽しみ♪
Comments